民間信用調査会社の東京商工リサーチは3日、今年3月末で期限が切れた「中小企業金融円滑化法」で返済条件を緩和された企業の倒産動向を発表した。それによると、5月の関連倒産の件数は前年同月比約2倍の44件で、4カ月連続で最多を更新していることが分かった。
金融円滑化法で支援を受けて一時的に資金繰りが良くなっても、業績が抜本的に改善せず、事業継続の断念に追い込まれる中小企業が増えていることが浮き彫りとなった。東京商工リサーチは「アベノミクス効果で円安株高が進み、風向きは変わったが、中小企業の業績に波及するまでには至っていない」(情報本部)との見方を示している。
5月の負債総額は209億3200万円で、前年同月比65.6%の大幅増。負債額10億円以上の大型倒産が5件(前年同月は3件)発生したことが響いた。
産業別に見ると、製造業が16件と、3月と4月の12件を上回り、今年に入り最多となった。建設業と卸売業の各8件、小売業の7件が後に続いた。また、従業員数別では小規模の企業を中心に増加が目立った。