経団連の米倉弘昌会長は6日、東京電力の福島第1原子力発電所を視察し、高橋毅所長ら150人余りの職員を前に「福島の復興実現には廃炉を完遂することが不可欠だ。皆様がしっかりと使命を果たしていただきたい」とエールを送った。
米倉氏が同原発を訪問するのは初めて。マスクや靴カバー、手袋などを装備し、同社の広瀬直己社長の案内で約1時間をかけてバスの中から所内の地下貯水槽や原子炉建屋など廃炉作業の進捗(しんちょく)状況を視察した。その上で「原発事故の深刻さを改めて認識した」「経団連も廃炉や安全管理の技術提供のほか、今後の原子力政策のあり方などを提言し、復興の促進に少しでもお役に立ちたい」などと述べた。
視察にはいずれも経団連副会長で原子力事業を抱える三菱重工業の大宮英明会長、東芝の佐々木則夫社長も参加した。視察後は福島県広野町の山田基星町長ら地元首長と会談し、復興に向けた人的支援などを約束した。