三菱重工業は7日、商業衛星打ち上げ事業における協力に関する覚書(MOU)を欧州大手アリアンスペースと締結したと発表した。豊富な打ち上げ実績を持つアリアンスペースと組んで、新興国で高まる商業衛星の需要を取り込みたい狙いだ。
両社はこれまでも顧客への共同提案を行ってきたが、期間が満了したため、改めてMOUを結んだ。
今後、両社は打ち上げ場における準備作業の効率化や新たな打ち上げサービスの創出に向けた検討を進める。
アリアンスペースはフランス国立宇宙研究センターが筆頭株主で、商業衛星打ち上げで50%以上のシェアを持つ。これまで三菱重工業は政府系の受注が中心だったが、今後、宇宙事業の拡大に向けて民間からの受注を増やす方針だ。
両社によるMOUの交換式はこの日、首相官邸で安倍晋三首相と来日中のフランスのオランド大統領も出席して行われた。三菱重工の大宮英明会長は「アリアンスペースとの協力により、魅力的で価値の高いサービスを提供できる」とコメントした。