高さ300メートルと日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)に入る近鉄百貨店の新本店が13日に先行開業した。11日にはカード会員らを対象にした先行営業が行われ、買い物客らで混雑した。来春の全面開業後に、全体のスペースは国内の百貨店として最大級の10万平方メートルになるが、名称の「あべのハルカス近鉄本店」から、あえて百貨店の文字を外した。平成23年から開業・増床が相次いだ「大阪百貨店戦争」も近鉄本店の登場で最後となるが、その取り組みは百貨店業態の生き残りをかけた挑戦の試金石といえる。
報道関係者に店内を公開した10日、9階の生活雑貨フロアでは一角から食欲をそそる料理のかおりが漂った。調理用品コーナーの隣に設けられた料理教室だ。教室では、イタリア料理や本格的なメロンパンなど、1回2時間で気軽に受講できる講座を開講する予定で、店内の調理コーナーで販売する海外メーカーの鍋やフライパンを使用してみせるため「気に入った道具があれば、すぐ買って帰ることができる。料理体験と買い物を同時に楽しんでもらいたい」(広報担当者)という。