「虎ノ門ヒルズ」の建設現場に導入している資材搬送ロボット=21日、東京都港区【拡大】
大林組は21日、2014年開業を目指す森ビルの超高層ビル「虎ノ門ヒルズ」(東京都港区)の建設現場に導入している資材搬送ロボットを公開した。人手に頼っていた作業を効率化でき、東日本大震災後の復旧・復興需要などによる全国的な作業員の人手不足の解消に役立つと期待している。同社によると、建設現場でロボットが作業をするのは業界で初めてという。
虎ノ門ヒルズの現場では、資材の搬送作業に必要な人員を4人から2人に半数に減らせたほか、作業コストも従来比で約3割削減できたという。
今後、大林組では超高層ビルだけでなく、工場、商業施設といった建設現場でも、今回の“働くロボット”を幅広く活躍させる方針。年間10~20カ所の建設現場で採用していく考えだ。
ロボットの開発・導入費は1台当たり約500万円。ただ、今後数台を新たに導入する予定で「1台当たりのコストは下がる」(同社技術研究所の大本絵利さん)と見積もっている。
ロボットは作業員がタッチパネル経由で作業を指示するだけで、ICタグなどの情報を活用し、建設資材を目的の場所に自動的に運ぶ。
これまでは資材を運ぶ作業の場合、2~3人がチームを組んで作業していたが、今回のロボット導入で人手は実質ゼロになったという。