東京大学先端科学技術研究センターの高橋智隆・特任准教授【拡大】
「いま、ロボットの分野は、以前のインターネットの急速な進化と同じ現象が起きている。眠いが寝てられない」
26日の記者会見で、トヨタ自動車や電通などとともに開発した身長34センチのロボット宇宙飛行士「KIROBO」(キロボ)を前にこう力を込めた。
キロボは、宇宙において日本語の問いかけに答えたり、相手の話に相づちも打てるうえ、相手の顔を覚えて話しかけることもできる。8月4日に鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられる国産大型ロケット「H2B」に搭載される国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給機「こうのとり」4号機に乗って宇宙へ飛び立つ。11月にも、ISSに滞在する宇宙飛行士の若田光一さんとの会話実験を行い、「世界中にロボットの可能性を知らしめる」と意気込む。
一方で、「色々な技術革新が進むが壁に当たっている。人型ロボットはその壁を破る役割を果たす」とも話す。
スマートフォン(高機能携帯電話)やデジタル家電などは、便利で使い勝手の良い機能がつくが、多くの人がうまく活用できておらず宝の持ち腐れ。今回の会話ができる人型ロボットが自発的にその機能を提案すれば、「より多くの機能が活用できる」というのが根拠だ。
幼少のころからテレビアニメ「鉄腕アトム」に憧れ、ものづくりが何よりも好きだった。理想のロボットは「小さいが物知りな相棒」で、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の父親「目玉おやじ」などを挙げる。「15年以内に1人に1台ロボットを普及させたい」と夢を膨らませている。