新規需要掘り起こし
縮小の一途をたどる国内二輪市場で、「軽二輪」と呼ばれる排気量126~250ccクラスの好調さが際立っている。もともと、維持費の安さや長距離走行も快適にこなす性能の良さが人気の理由だったが、二輪車メーカー各社が低価格化とともに魅力を高めた新車を相次いで投入。若者を中心とした新規需要の掘り起こしにつなげている。
全国軽自動車協会連合会によると、今年上期(1~6月)の軽二輪の新車販売台数は前年同期と比べて33.3%増の2万6962台となり、2年連続で前年実績を上回った。
ブランド別ではホンダが31.3%増の1万269台、カワサキ(川崎重工業)は約2.2倍の5923台、スズキも45.8%増の3818台と大きく伸びた。ヤマハ(ヤマハ発動機)は4.6%減の4301台だった。
軽二輪は、251cc以上の小型二輪と違って車検が必要ない。また、125ccまでの原付きでは認められていない高速道路での走行も可能。さらに「二輪車全体の2割程度を占める女性ユーザーにとっても、足が地面につきやすくて取り回しがいい」(ヤマハ発動機)ことも人気の理由だ。
川崎重工は2月に「ニンジャ250」、4月に「Z250」を相次いで発売。担当者が「ニンジャシリーズの前モデルが軽二輪ブームに火を付けた」と話すように、人気車種の新モデルが同社の販売を牽引(けんいん)している。