天ぷらやコーラ、アイスクリームなど、油やカロリーが多いと思われる食品を健康志向に仕立てる動きが、外食や食品メーカーに広がっている。ターゲットは主に20~30代の働く女性で、食欲と節制の間で揺れ動く乙女心に「通常の商品よりはヘルシー」という“言い訳”を提供。食欲を正当化させることで売り上げアップを狙う。
「ランチタイムには、揚げたらすぐにどんどん売れていきます」。はなまる東日本営業部の酒匂恵次スーパーバイザーは声を弾ませる。同社が展開するチェーン店「はなまるうどん」では、うどんに並ぶ看板商品の天ぷらのうち、油分を従来比で47%カットした「ヘルシーかき揚げ」の売れ行きが好調だ。
米粉をブレンドしたオリジナルの天ぷら粉を使い、調理方法も工夫。油が衣から抜けやすくなった。食感や味わいは従来のままでカロリーを約3分の1カット。6月13日の発売後、「この商品で『かき揚げデビュー』を飾る女性が増えた」(同社)こともあり、かき揚げの売上高が以前の70%増となる店舗も出ている。