関西など電力4社の原発に対する原子力規制委員会の安全審査の初会合が16日開かれる中、東京電力が再稼働を経営再建の軸に据える柏崎刈羽原発6、7号機は、審査の申請すら出せない状況に陥っている。再稼働に難色を示す新潟県の泉田裕彦知事は同日から1週間の外遊に出発。地元自治体の了承を取り付けられる見通しが立たず、収支改善のため東電が電気料金の再値上げに踏み切らざるを得ない事態も現実味を帯び始めた。
「(13~15日の)連休中に進展はなかった」。東電幹部は肩を落とす。5日に物別れに終わった広瀬直己社長と泉田知事との再会談に向けた調整が付かないまま、泉田知事は16日、ブラジル・サンパウロ市などへの外遊に出発した。
広瀬社長は17日に柏崎市と刈羽村を訪ね、両議会で申請方針を説明する予定だが、少なくとも泉田知事が帰国する22日までは地元の了承は得られず、21日投開票の参院選後にずれ込むことは確実となった。
両者の間に横たわる懸案は、新規制基準で義務づけられた「フィルター付きベント」の設置だ。泉田知事は東電と結んだ協定書に基づき、地元の事前了解を得るよう求めている。ただ、同ベントの設計や運用方法の詳細をめぐる協議は「かなり時間がかかる」(東電幹部)ことが避けられそうにない。