動物と植物の性質を併せ持ち、ビタミンやミネラルといった人間が必要とする栄養素を豊富に含む微細藻類「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)」を使った商品の市場が開けてきた。
サプリメントや青汁タイプの粉末飲料、クッキー、麺類といった食品はもちろん、化粧品などへも用途が広がっている。原料となるユーグレナを大量培養する技術を確立し、沖縄・石垣島で生産しているユーグレナ(東京都文京区)の福本拓元・取締役マーケティング部長は「ユーグレナ市場は約100億円規模にまで成長している」と話す。
同社はユーグレナを使ったさまざまな商品を製造・販売するほか、バイオ燃料や環境技術への応用といった研究開発を続けている。売上高は2010年9月期の7億円強から、11年9月期に11億円、12年9月期に16億円弱と2年間で約2倍となり、今期は20億円に達する見込みだ。
ユーグレナのサプリメント市場は、近い将来クロレラと同じ400億円規模にまで成長すると予想されている。今後、飼料やジェット燃料の原料としての技術が確立すれば、さらなる拡大も見込めるだろう。