再成長へ 戦略練り直し
防腐剤などを使わない「無添加化粧品」で知られるファンケルが、昨年3月に実施した主力ブランド刷新の見直しを加速している。新たなユーザー獲得を狙った戦略だったが、思惑通りの結果を得られなかったためだ。自然派をうたう競合品が増え、売り物だった「無添加」の優位性が揺らぐ中、創業者の池森賢二会長が今年1月、約8年ぶりに経営に復帰。ベンチャー企業の成功者として名をはせた池森氏の再登板で、ファンケルは再成長に向けた新たなスタートを切った。
「無添加」優位揺らぎ
ブランド刷新直後の昨年4月、直営店を訪れたファンケル幹部は、社名を冠した主力化粧品ブランドの売り場を見て愕然(がくぜん)とした。洗顔料・化粧水・美容液・シートマスクなど多岐にわたるスキンケア製品が、みな白い箱に納められ、識別しにくいことに気付いたからだ。英語で表記された製品名も小さく目立たない。
顧客からも戸惑いの声が上がった。「どれも似たような箱に入っている」「文字が小さく読みづらい」「どれを使ったらいいのかわからない」-。