造船重機大手5社の2013年4~6月期連結決算が6日、出そろった。円安で造船事業の採算が改善したIHIと三井造船の2社は最終利益が前年同期より増加し、通期予想も上方修正した。半面、造船事業が苦戦した住友重機械工業など3社は最終減益を余儀なくされた。
IHIがこの日発表した4~6月期の最終利益は、前年同期の約2.1倍に当たる91億円。主力の航空事業が好調だったことに加え、造船子会社を統合した持ち分法適用会社のジャパンマリンユナイテッドの業績が円安で改善、貢献した。
14年3月期通期の最終利益見通しについては、鉄鋼圧延機分野の事業統合に伴う特別利益などもあり、当初予想より50億円多い230億円に引き上げた。
川崎重工業との統合交渉が白紙になった三井造船も円安で造船事業の採算が改善。4~6月期の最終利益は2.3倍の33億円だった。これを背景に、14年3月期の最終利益見通しを4月時点の予想より20億円多い70億円に引き上げた。
一方、造船事業の不振が業績の足を引っ張ったのが住友重機械工業だ。4~6月期の最終利益は88.6%減の6億円と苦戦した。船の引き渡しが1隻にとどまり、採算も悪化。建造能力を減らしているため、円安の押し上げ効果も限定的だった。