パナソニックが、携帯電話販売店の運営などを手がけるアイ・ティー・シーネットワーク(ITCN、東証1部)の保有株を全株、同社に売却したことが16日分かった。
ソニーと韓国サムスン電子の2機種を優遇販売するNTTドコモの「ツートップ」戦略で、パナソニックの携帯電話事業は苦戦中。ドコモショップなどを運営するITCNへの出資メリットが小さくなった。
ITCNは昨年10月、パナソニックの当時の子会社を吸収合併し、その買収代としてパナソニックにITCN株の20%を渡していた。
パナソニックの子会社、パナソニックモバイルコミュニケーションズが関東財務局に提出した大量保有報告書によると、今年8月9日の市場外取引で、ITCNがパナソニック側の持ち株全株を引き取った。パナソニックの売却額は約90億円。
同社は、携帯電話事業を再構築し、余分な保有資産を売却することで財務体質の改善も狙う。