キッコーマン野田工場内にある「もの知りしょうゆ館」【拡大】
この夏、宿題を抱えた子供たちに向けて、生産施設を公開している食品関連の工場がにぎわった。自社の商品が製造される工程を見てファンになってもらうのはもちろん、子供の学ぶ場の提供にも工夫を凝らしている。「食の安心・安全」に対する消費者の関心が高まる中、“開かれた工場”をアピールする狙いもある。
「食育」の取り組み
「人の手でしょうゆをつくっていた江戸時代から、歌舞伎役者たちが施設見学に訪れていたという言い伝えがある」
キッコーマン野田工場(千葉県野田市)内の「もの知りしょうゆ館」。エキスパートアドバイザーの中井陽一さんは、同社の工場見学の歴史についてこう話す。
しょうゆ工場見学では、しょうゆの製造工程を映像や展示で紹介したり、もろみの熟成の様子や、しょうゆの色・味・香りを体験できる。小学校3~6年生を対象とした「しょうゆづくり体験コース」もあり、しょうゆの原料に触れ、しょうゆこうじの盛り込みやもろみの観察、もろみを搾る作業などを行い、最後にせんべいでしょうゆ味を体験する。