トーマツグループの売上高【拡大】
監査法人のトーマツを中核とするトーマツグループがベンチャー企業の支援事業を本格化させている。全国でセミナーなどのイベントを開いて有望なベンチャーを発掘し、大企業との協業などを仲介。収益力の向上を図って新規株式公開(IPO)につなげ、上場後は経営を支える一貫した支援サービスを通じ、グループの収益力を高めることを狙う。
ベンチャー育成は安倍晋三政権の成長戦略で「産業再興」に向けた重点課題の一つに掲げられており、監査法人の中でも異色を放つトーマツのベンチャー戦略の成否は、日本経済が力強さを取り戻せるかを占う試金石にもなりそうだ。
“生の声”伝える
「何でも単独で取り組もうとすることが、大学発ベンチャーのよくないところだ」。東京大学発のベンチャー、ユーグレナの出雲充社長は7月中旬、トーマツグループのベンチャー支援会社、トーマツベンチャーサポート(TVS、東京都千代田区)が同区で開いた「産学連携ベンチャーサミット」で講師を務め、参加した起業家やベンチャーキャピタル(VC)の関係者ら百数十人にクギを刺した。