シャープが、1200億~1500億円の増資を10月中に行う方向で最終調整していることが12日分かった。1000億円程度の公募増資と、デンソーなどを引受先とした第三者割当増資を組み合わせて調達。来週にも発表し、財務基盤の建て直しを図る。
シャープの自己資本比率は6月末時点で6%まで低下している。今回の大規模な増資により、大手家電メーカーの標準的な水準に近い10%程度まで改善する見通しだ。
増資をめぐっては、当初は8月中に発表し9月下旬に払い込むスケジュールが検討された。しかし、韓国サムスン電子との複写機事業の共同事業交渉が白紙となったことなどから、延期された。
一方で米アップルが20日に発売するスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」新モデル用の液晶パネルを受注した夏以降は工場の稼働率が向上。太陽電池なども好調で業績は回復傾向にある。