記者会見する日本IBMのマーティン・イェッター社長=7日、東京都千代田区【拡大】
日本IBMのマーティン・イェッター社長は7日、就任から1年半たって記者会見し、経営改革の進捗(しんちょく)状況と「クラウド」や「ビッグデータ」「データ分析」「モバイル」といった成長分野を柱とする事業戦略を説明した。
事業戦略の説明に先立ち、イェッター社長は、米IBMが世界70カ国20業種4000人以上の経営層を対象に実施したインタビューに基づくアンケート結果を世界に先立ち公表。経営幹部の54%が今後3~4年のうちに顧客を「個客」として個人レベルで深く理解し、連携を強化することが重要であると考えていることなどが分かった。
その上で、イェッター社長は「人材を顧客に近い場所に配置する方針を打ち出したことで、(業績面などで)良い進展がある」と日本IBMの組織変革の成果を強調した。さらに「顧客の影響力を受け入れ自社の経営に生かすという姿勢は、他国より日本の経営者のほうが意識は高く、当社にとってビジネスチャンスは大きい」との見通しを示した。
日本でも本格的に経営への活用が始まったビッグデータについては「自動車、金融、流通で重要な動き」があると指摘。先行する米アマゾンやグーグルとはサービスが差別化されているため、「分析力」を武器に日本市場で事業を拡大する考えを示した。