健康志向の高まりを受け、甘みのない無糖炭酸水が人気を集めている。ここ数年、特定保健用食品(トクホ)やそのまま飲む“直飲み”タイプの炭酸水が消費者の生活に浸透し始めており、炭酸水市場はにぎわいをみせている。
全国清涼飲料工業会によると、炭酸水の国内生産量は年々増加傾向にあるといい、平成20年に3万1400キロリットルだった生産量は、23年には9万4600キロリットルと過去最高を記録した。
清涼飲料大手のサントリー食品インターナショナルは、今年7月に「サントリー南アルプスの天然水」の炭酸水を発売。発売後、約2カ月半で年間販売計画を達成しており、同社担当者は「非常に好調に推移している」という。
同社は今月15日にきめの細やかな炭酸の泡感とレモン果汁をひと搾りしたような自然なレモンの香りと味がする「サントリー南アルプスの天然水 スパークリングレモン」の発売を予定しており、「炭酸水市場をより拡大していきたい」(同社担当者)と意気込む。
総合ディスカウントストアのドン・キホーテ(東京)の飲料担当者は炭酸水の売れ行きについて、「今年発売された『サントリー南アルプスの天然水 スパークリング』の販売が好調。おいしいということで人気。単品でも売れている人気商品となっている」と話す。
ハイボール人気によるお酒を炭酸水で割る飲み方に加え、そのまま飲用する傾向も拡大。仕事の合間やお風呂上りなどのリフレッシュしたい時や、女性誌などの特集で美容や健康を気にする女性の間でも広がりをみせており、炭酸水市場は今後も拡大を続けそうだ。