中小企業の開廃業率【拡大】
【成長ニッポン】
経営難に陥った中小企業を救済しようと、東京都内屈指の工場集積地を抱える板橋区が設立した専門家集団が脚光を浴びている。昼夜を問わず365日相談を受け付け、とことんまで経営立て直しにつきあう支援手法は大きな成果を挙げ、今や「板橋モデル」導入を目指す視察団が引きも切らない。政府も全国展開に向け動き始めた。チームを率いるのが自身も大型倒産をし、どん底から立ち直った経験を持つ区立企業活性化センター長の中嶋修さん(65)だ。
相談4000件以上
「この事業はずっと赤字ですよね。撤退する必要があります。役員報酬も削りましょう」
中嶋さんは、経営難で駆け込んできた経営者と決算書を挟んで向き合う。相手は赤字続きで資金繰りが滞った板橋区内の飲食店。直近は従業員の給与も出ていない。決算書の数字を指し示しながら、中嶋さんは一つ一つ問題点を洗い出す。