ホンダは30日、太陽電池事業を手がける全額出資子会社「ホンダソルテック」(熊本県)を解散し、太陽電池の製造・販売から撤退すると発表した。2014年春に事業を終了、従業員91人(今年9月末時点)には自主退職を求める。
ソルテックは06年12月に設立。ホンダが独自に開発した天候や熱の影響を受けにくいCIGS薄膜太陽電池を製造、販売していた。累計投資金額は約70億円。
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を背景に国内の太陽電池市場は拡大しているが、シリコン価格の下落に伴うシリコン結晶系太陽電池パネルの値下げに加え、中国など新興国メーカーとの価格競争が激しい。ホンダは「市場環境が事業計画と異なり、競争力を失った」(幹部)と判断し、撤退を決断した。