造船重機大手5社の2013年9月中間連結決算が1日、出そろった。三菱重工業と川崎重工業、IHIは営業利益が増加。旅客機市場の拡大を背景に航空事業が好調で、円安も収益を押し上げた。一方、造船事業が不振の三井造船と住友重機械工業は減益となり、得意分野の違いで明暗が分かれた。
IHIが1日発表した中間決算は営業利益が前年同期比36.0%増の197億円。米ボーイングの最新鋭旅客機「B787」など民間航空機向けエンジンの増産が続き、コスト改善も進んだ。円安のプラス効果も93億円に上った。三菱重工もボーイング向け部品などが伸び、営業利益は前年同期比59.8%増の754億円だった。
営業利益が前年同期の2.6倍になったのは川崎重工。航空事業のさらなる成長に向け、B787の派生機の生産に対応する工場を愛知県に新たに建設。このため、設備投資額の通期見通しを従来より170億円多い1010億円に引き上げた。
一方、航空事業を持たない2社は苦戦。造船事業が強い三井造船は需要の低迷や船価下落の影響を受け、営業利益が15.0%減の81億円になった。
住友重機は造船事業を縮小し、精密機械事業などに力を入れるが、上期の船の売り上げが1隻しかなく、営業利益は51.9%減の83億円と伸び悩んだ。