日本政策投資銀行は女性起業家の発掘・育成に向け、外部との連携を強化する。各地の経済産業局と組んで、フォーラムなどを11月から本格的に開催するほか、ベンチャー企業の支援に力を入れる新日本監査法人と共同でビジネスの実践講座を立ち上げる。
安倍晋三政権は「女性の活躍」を成長戦略の中核に位置づけている。政投銀は、女性起業家を対象にした顕彰制度「DBJ女性新ビジネスプランコンペティション」を実施しており、一連の取り組みを通じて国の取り組みを後押しする。
外部との連携は政投銀の「女性起業サポートセンター」が主体となって進める。経産局とはこれまで、東北と関東の経産局と共同でフォーラムなどを開催してきたが、11月から一気に加速する。具体的には12月にかけて沖縄、九州、中国、四国の各経産局と組み、「女性起業家セミナー」などを4回にわたって実施する。
また、「顕彰制度の受賞者傾向をみると、その地縁に支えられて優れたビジネスモデルを確立しているケースが目立つ」(栗原美津枝・女性起業サポートセンター長)という点を踏まえ、静岡銀行など起業家向けの顕彰制度を導入している地銀約10行と連携。地域のネットワークを生かして優秀な人材を発掘し、コンペティションへの参加に導いていく。
新日本監査法人とは「女性起業家のためのビジネス実践講座」を共催する。ビジネスプランの作成を指南するもので、年内に基礎編と実践編を行う。その後も資金調達に関するセミナーなどを計画している。
女性新ビジネスプランコンペティションは2012年にスタート。受賞者に対し事業プランの再構築や協力会社の発掘など、さまざまな面で支えている。