高級ホテルや老舗百貨店で食材偽装や誤表示の問題が相次ぎ発覚していることを受け、ファミリーレストランや居酒屋などの大手外食チェーンも検査体制の強化に乗り出した。全国数百店以上の規模で共通メニューを提供する各社にとり、問題の芽を見過ごせば、業績低下の大きなリスクとなるだけに、業界団体も含めて防止策の強化を急いでいる。
「営業部門とコンプライアンス(法令順守)部門の権限を明確にして、さらに脇を固めたい」。「手作り居酒屋 甘太郎」など約2100店舗を展開するコロワイドの野尻公平社長は、8日の投資家向け決算説明会でそう強調した。
一連の問題発覚後にグループ73業態の全品目を再検査し、「鮮魚」などの誤解を招きかねないメニュー表記の変更を決定。今後、食材調達先やメニュー表記の検査担当者を増やすなどチェック体制の強化を図る。