「発展空間」という言葉をご存じでしょうか。中国で使われ、自分が成長できる環境・職場を意味します。中国のビジネスパーソンが非常に重要視する項目です。人材の国際化、流動化が進む現代において、リーダーが「発展空間」をより意識することが必要になっています。
そこで、人が「成長を支援されている」と感じる度合いと、リーダーに求められる23項目の行動との関係を調査しました。関係の強い上位3項目をご紹介します。
トップは「定期的に相手との時間をとる」ことです。話すことで、リーダーの知見を学習し成長を感じることは自明でしょう。ただ、思い立ったときにだけ話すのでは、発展空間があるとはいえません。通常業務の一環として「定期的に」実施することが肝となります。成長を望む相手と対話する時間をスケジュールに入れる。そこまでやることで、相手が成長を支援してくれると感じるのです。
2番目は「相手の強みを引き出し伸ばしている」ことです。ギャラップ社の調査では、上司が「あまり意識を向けない」「弱みに目を向けている」場合、仕事に不満を持つ人は22%。「強みに意識を向けている」場合は、1%になるという結果があります。「強み」に着目することは、相手にポジティブな影響を与えることが分かります。ただ、トラブルを起こした人に「なぜこんなこともできないのか」と思うことはあっても、うまくいっているときに「なぜこんなにうまく進めているんだろう」と思うことはあまりありません。「強み」は自然に見えるものでなく、意識して見つけるものといえます。
3番目は「相手と目標を共有している」ことです。目標設定面談時に、半年先の状況が不明瞭だからとあいまいな目標で終わらせてしまったことはないでしょうか。あいまいな目標では大きな成長実感は得られません。明確な目標をつくらせることは、相手の頭を悩ませるでしょうが、その機会を提供することで、成長実感を確かなものにすることができるといえます。