■文章とデザインの全てに意味
--言霊名刺の制作では「自分史」をどのようにしてストーリーにするのか
「まず、基礎データとして『私ってこんな人シート』というフォーマット化した用紙に名前や出身地、資格や特技、趣味などを記入してもらいます。そして『自分の人生振り返りグラフ』で人生の起伏を時系列で追ってもらいます。さらに自分史を年齢別に書き出し、その年代に起こった出来事や感情的な部分を出してもらいます。もし会社や経営者のご依頼なら、会社案内や会社のホームページなど膨大な情報も材料となります。これらを参考に数日かけて一気に原稿を作成し、デザインを制作していきます」
--特に重要な情報は
「自分の個性を作り出しているものの中に、両親から受け継いだものは非常に多いはずです。私の父親は中卒で、でっち奉公の末に独立したまじめな職人でした。派手さはなく、地味で平凡な生活。ただ、大人になるにしたがい、地味で平凡な生活を続けることがいかに難しいことかよく分かったのです。そして、自分も親の血を受け継いでいるんだと…。これはどの人も一緒です。両親との関係があるからこそ今の自分がある。これはとても大事な要素ですね」
--デザインでの配慮は
「名刺のスペースは限られていますから、読ませたい情報をどこに配置すると読ませられるのか、読ませる順序はどうすべきかを、視覚的な部分も考慮しながらデザイン化していきます。文字の大きさ、色、書体なども、名刺を渡そうとする相手によって考えて使っています。文章だけでなくデザインも全て意味があって制作しています」(ライター 金田雄一)=月~水曜日掲載