本連載では、組織の活性化には、リーダーがメンバーと話す時間をとることが効果的と伝えてきました。しかし、話す時間をとりさえすればいいというわけではありません。
以前、ある会社でインタビュー調査を実施しました。話を聞いた課長のAさんは「部下と週に1時間、個別面談をしており、十分に時間をとっている」ことを自負していました。にもかかわらず、部下に話を伺うと「課長は全く話を聞いてくれない」と言います。よくよく聞くと、個別面談中の課長の振る舞いに原因がありました。部下いわく、「面談中は課長ばかり話している」「先週相談したことを覚えていない」とのこと。部下から見ると、課長は自分が決めたことを話すために時間を確保しているだけで、自分たちのことを本当に考えてくれているとは感じられなかったのです。
ただ話すのではなく、相手が「自分のために」時間をとってくれたと感じることが非常に重要です。コーチング研究所で実施した145人のリーダーの調査結果がその事実を示しています。