日本の中小企業が世界初の快挙を成し遂げた。東京の下町の町工場が中心となって開発した無人海底探査機「江戸っ子1号」が、千葉県房総半島沖での潜水実験を終え、24日、神奈川県の横須賀港に帰還。水深7800メートルの超深海で泳ぐ深海魚などを世界で初めて3Dカメラで撮影することに成功し、映像が公開された。
潜水実験は21日から3日間行った。探査機3機を房総半島の東海上にある日本海溝に投下し、水圧に耐えられるかを調べた。
水深7800メートル地点で、ヨミノアシロとみられる深海魚などが泳ぐ姿をとらえた。今後、研究機関に映像を持ち込み、種類などを調べる。
今回のプロジェクトの呼びかけ人である杉野ゴム化学工業所(東京都葛飾区)の杉野行雄社長は、任務を終えた江戸っ子1号を港で出迎え、「4年がかりでの開発の成果が出て感無量だ。今度は(水深1万1000メートルの)マリアナ海溝にチャレンジしたい」と興奮気味に語った。