生保各社が経営の重荷だった「逆ざや」を解消し、新たな局面を迎えようとしている。実際の運用収益が契約者に約束した運用利回りを上回った際に生じる利差益は、主要13社のうち数値を開示する11社の合計が2013年4~9月期は約700億円となり、全体で「順ざや」に転じた。各社が公表を始めた01年3月期以来、順ざやは半期、通期ベースのいずれでも初めて。
順ざやに転じたのはT&Dホールディングス、ソニー、富国、アメリカンファミリー、アクサ各生命保険の5社。日本生命保険、明治安田生命保険は順ざや幅を広げ、逆ざやの4社もその幅を圧縮した。
バブル期に約束した5~6%の高い予定利率が負担となり、2000~04年度に各社の逆ざやは計1兆円以上に達し、補填(ほてん)のため資産の取り崩しを強いられてきた。