奈良県の靴下生産は、大和木綿を基盤とした繊維産業から発展した歴史があり、ソックス(短靴下)の生産量は56.7%(2012年)の全国シェアを誇り、「全国一の靴下の生産地」とされる。だが、海外で生産された安価な製品の輸入などによって、多くのメーカーが厳しい経営環境に置かれている。こうした中で、設立27年の西垣靴下は「提案・開発型メーカー」として独自のブランドを構築。品質の優れた商品を開発、提供し続けている。
◆白熱する会議
毎週金曜になると、総務経理や営業、企画などの各部署から社員が集まり、開発提案会議を開く。
市場の動向や商品のターゲット、パッケージのデザイン、生産体制など、自社ブランドで商品を開発、販売するために必要な情報、提案を会社全体で共有し、具体的な商品化につなげていくのが狙いだ。
「自然と体にやさしい」をコンセプトにした同社は「エコノレッグ」をブランドにし、ウオーキングやスポーツ向けに開発した「歩きING」は、08年の発売以来、30万足が売れている。
その新商品「エコノレッグ バリエ」は、つま先が足袋のようなタイプと、袋状のタイプの2種類がある。
ある日の会議では、袋状タイプの「先丸」の生産、販売を今後、どのように展開していくかが議論された。
総務経理担当の社員が、この議題について提案すると、「あった方がいいと思う。足袋のタイプは『いや』というお客さんもいます」と別の社員。
さらに議長役の別の社員は「確かにインターネットでは足袋のタイプを宣伝しているので売れているが、販売会では先丸のタイプが売れている」と補足した。
これに商品の色別の売れ行き報告や、ネット販売の販売状況報告なども加わり、議論は白熱した。