楽天の通信事業子会社、フュージョン・コミュニケーションズは5日、スマートフォン(高機能携帯電話)の通話料金が大手3社の標準的な料金の半額の30秒10・5円になる割安通話サービス「楽天でんわ」を同日から提供開始したと発表した。
多様な料金プランがある従来型携帯電話に比べて割高感のあるスマホの通話料金に対抗、基本料金が不要など手軽さを武器に「スマホのすべてのユーザーに浸透させたい」(事業推進部)としている。
フュージョンはNTTドコモ、ソフトバンクなど携帯電話事業者と自社の全国基幹網を相互接続することで、割安なスマホ通話料を実現した。スマホ契約者が楽天でんわを利用するには、ウェブ画面で登録後、アプリ(実行ソフト)をダウンロードすれば、すぐにいままでと同じ電話番号から通話できる。支払いはクレジットカード引き落とし。
米アップルとグーグルの両方の基本ソフトに対応。両社のサイトからアプリをダウンロードできる。通話料の1%分の楽天スーパーポイントを付与。ポイントで通話料を支払うこともできる。
楽天の國重惇史副社長は会見で「スマホの料金は高過ぎる。メガキャリア3社が同じ料金で膨大な利益を得ている。競争が必要だ」と述べ、高止まり状態にあるスマホ通話料の問題を指摘した。
フュージョンは2000年に日商エレクトロニクスなどが設立。07年に楽天グループ入りした。楽天の出資比率は54・8%。