三菱ケミカルホールディングス(HD)は12日、都内で事業説明会を開き、来年4月にヘルスケア関連事業を統括する新事業会社を設立する方針を明らかにした。創薬や製薬以外の健康や医療などのヘルスケア分野に特化した組織を作ることで、年率5%以上の成長が予想されるヘルスケア市場を開拓していく。新会社は三菱化学、田辺三菱製薬、三菱樹脂、三菱レイヨンに続く、HD傘下の5番目の基幹事業会社となる。
新会社は、HDや三菱化学傘下でヘルスケア関連事業を担う三菱化学メディエンス、APIコーポレーション、健康ライフコンパス、クオリカプスの4社を統括。臨床検査など「医療・健康情報サービス」や診断装置製造など「医療機器」、医薬源薬やカプセル製造販売などの「ヘルスケアマテリアル」を中心事業に据え、HDが手がける医薬品や在宅医療分野などとの相乗効果も図る「総合ヘルスケアソリューション」の構築を目指す。社名や従業員数などの詳細は今後、詰めていく。
HDの小林善光社長は「ヘルスケアソリューションビジネスは裾野が広い。展開するためには、極めて新しいコンセプトが必要だ」と強調。同社は2013年度のヘルスケア分野の売上高で約1200億円を予想するが、「すぐに5000億円になるだろうという夢を持っている」と意気込んだ。また、営業利益でも現在の約60億円から、15年度に100億円まで引き上げる目標を掲げた。