真の豊かさとは-。そんな自分への問いかけから起業に至った一人の女性がいる。今年6月にキールスをたち上げた沼田早紀子さんだ。技術を磨きたいネイリストと、モデル希望者を仲介する国内初のサービスには、「人は情報によって豊かになれる」という、沼田さん自身の思いが込められている。
◆スマホアプリ活用
沼田さんが始めたサービスは至ってシンプルだ。スマートフォン(高機能携帯電話)向けに無料アプリ「nailly(ネイリー)」を配布。ネイリストがアプリ上で日時などの基本条件を告知し、それを見て応募してきたモデル希望者の中から一人を選び出す。あとは実際に会うだけだ。
ネイリストの卵がプロになるには、100~200人分もの経験をこなす必要があり、それだけの数のモデルを集めるのは大変だ。そのうえ日中は勤務などで時間を取れず、練習するのは休日や夜になりがちなため、なおさら確保は難しい。
「友人にもそうした悩みを抱えたネイリストがいて、男性に頼み込むことまであった」。沼田さんはビジネスを思いついたきっかけを語る。
安くなっているとはいえ、ネイルサロンの料金は1回1万円前後が相場。月に1回通えば年間12万円も必要だ。これに対して、モデル希望者はネイリーを利用すれば高くても3500円、安ければ500円でサービスが楽しめる。ファストファッションならぬ、「ファストビューティー」とうたうゆえんだ。