円安を背景に欧州のアルセロール・ミタルや韓国のポスコを抜き、鉄鋼メーカーとして時価総額で世界一に昨年返り咲いた新日鉄住金は、進藤孝生新社長の下で中期経営計画に掲げる「総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカー」の実現を目指す。粗鋼生産量は合併後、2012年に世界2位に順位を上げたとはいえ、首位のミタルの半分強にすぎない。統合効果の熟成を通じ世界での競争力をいち早く高めることが新体制に課せられる。
同社は合併から3年後の時点で年2000億円以上のコスト削減を目指しているが、今後は人材の融合にも力を入れる構えだ。当面、合併比率に応じて旧新日鉄、旧住金の出身者を2対1に固定してきた役員の体制を見直す。会見で進藤氏は「仕事を実行するために誰がいいかで判断したい。2対1を守る必要はない」と適材適所を強調した。