人気お笑いコンビ、バナナマンが出演するCMが話題の不動産・住宅情報サイト「HOME’S」を運営する。登録されている物件の数は450万を超え、同業他社の中で最大だ。利便性や情報の品質向上も追求する徹底ぶりだが、経営理念や行動規範には不動産の「不」もインターネットの「イ」も出てこない。その理由について、「利他」につながれば現在の事業にとらわれることなく、どんな事業にも取り組むから、と話す。
--「利他主義」とは何か
「自分でない他の利になることをさせていただくことそのものが、自分の利益であるという考え方だと理解している。今の事業もそこが原点だ」
--核となる事業は不動産・住宅情報サイト「HOME’S」の運営だ
「大学卒業後に不動産業界に就職したときの体験が出発点だ。業界内には、顧客の満足や幸せより、売り手の都合を優先させる慣行がはびこっていた。顧客の希望にあわない物件を、売り手の理屈で売りこむ様子も見てきた。サラリーマン時代、マンションのモデルルームで接客をしたことがある。ある若いご夫婦に物件を気に入っていただいたが、残念ながらローンの審査が通らなかった。そこでご夫婦の希望に沿う物件を競合他社も含めて探した。結局そのご夫婦は他社の物件を購入された。上司からは怒られたがご夫婦には大変喜んで頂いた。その笑顔をみたときに感じたやりがいが創業につながった」
--掲載物件数が最大だ
「消費者の利便性が高まるうえ、不動産業界に根強く残る不透明、不公平、不条理を取り除くことにつながる。現在は450万件超だ。国内には600万ほどの空室、空き家があり、そのすべての掲載を目指す。そうすれば隠し事をする余地がなくなり、利用者が不利になることが改善される」