日本航空は22日、拡充される羽田空港の昼間時間帯の国際線発着枠を活用して、3月30日に始まる夏ダイヤで羽田の国際線を増便する方針を発表した。ビジネス需要が見込める羽田-ロンドン線の運航などが柱となる。国内線では、2010年1月の経営破綻後に運休するなどした6路線を7~8月に運航再開する。
羽田の国際線発着枠は、国土交通省が昨秋、全日空に11便、日航に5便を割り振る方針を発表。日航はこの発着枠を使い、現行の英ブリティッシュ・エアウェイズとの共同運航(コードシェア)便に加え、自社機材でロンドン線を運航。シンガポール便とバンコク便は1日2便に増便し、パリ便は羽田発の時刻を深夜から日中に変更する。残りの中国は日中間の航空交渉が合意していないため、運航計画は未定としている。
これに加えて、羽田の深夜早朝時間帯を活用し、夏ダイヤから新たに羽田-ホーチミン線を開設する。
国内線では、経営破綻時に運休した伊丹-松本線や新千歳-出雲線など5路線と、05年に運休した伊丹-女満別線を、7~8月の繁忙期に運航再開する。
一方、成田空港で今月14日に日航のボーイング787が出発準備中に発煙した問題で、植木義晴社長は同日の記者会見で「ご心配をおかけし、深くおわび申し上げる」と陳謝。その上で「昨年の運航停止時に講じた多重の安全対策が有効に機能したと認識しており、今後の安全運航に支障はない」として、787の運航を継続する考えを示した。