【人材育成の新潮流 志縁塾】(4-4) (1/4ページ)

2014.1.27 05:00

 ■コミュニケーション力がイノベーションを生む

 □大谷由里子 代表取締役に聞く

 --志縁塾を立ち上げたきっかけは

 吉本興業を退社して27歳の時にイベント会社を設立しました。しかし、社員の価値観はバラバラでした。同じ夢のもと、自主的に動く社員を育てたかったのですが、うまくいかなかった。そんな時にコーチングという手法に出会いました。『君はどうしたいの?』という問いかけから始め、相手に考えさせて潜在能力を引き出すのがコーチング。これはまさしく、吉本のマネジャーが行っていたやり方でした。取り入れてみると社内の雰囲気が変わったため、『外部でも通用する』と確信を深めました。阪神・淡路大震災に遭遇したことで、生きているうちに世の中に意味のある仕事をしたいという思いが募り、志縁塾を設立しました。

 --志縁塾の特徴は

 学ぶ楽しさを伝えていきたいです。どれだけ賢い研修を組んでも上司や仲間、部下に笑顔がないと生きている実感がありません。また、現場力のある講師を育て、キャラクターを活かした研修にも力を入れています。ただ、日本では感情教育が不足しているせいか、実際に受講するまでは「笑い」の重要性を理解している人は少ないですね。

 --企業の研修に対する考え方はどのように推移しているとお考えですか

 従来の企業研修では笑いはNG。また、均一のものが必要とされ、体験や事例を交えることは認められなかった。それが、ここ5~6年で大きく変わりました。今では『笑いがあると、効果が上がる』という考え方が主流です。笑いの語源を辿ると『わ』は0、『い』は1のこととあります。0を1にするのが「笑い」です。ものごとを活性化させる力があります。笑いは希望だと思っています。笑いのないところに希望はない。笑われるのは恥ずかしいことかもしれないけど、人を笑わせる行いは人を笑顔に元気にします。お陰さまで昨年、『笑うコミュニケーション・セミナー(R)』と『寸劇コミュニケーション(R)』、2つの商標を取得しました。とことん「笑い」を極めたいですね。

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