2008年のリーマン・ショック後の円高は、多くの輸出企業に打撃を与えた。中古車輸出業者も例外ではなく、売り上げが激減し倒産や廃業に追い込まれた事業者もあった。月間100台以上を38カ国に輸出していたアジアンウエイにとっても影響は甚大だった。しかし中古トラックに特化し、ミャンマー向け輸出と国内向けネット販売に絞り込むことで危機を乗り切った。田中晶子社長に今後の展開などについて聞いた。
--なぜトラックに特化したのか
「トラックは乗用車と比べると、特殊な販売形態で、ダンプカー、クレーン車、タンクローリーなどの車種ごとに販売店が分かれている。またネット化が遅れており、中古トラックのネット販売に特化した企業は数えるほどしかなく、競合が少ないこともあり、10年11月に『トラック流通センター』としてネット販売での参入を決めた。サイトの使い勝手がよく、サポートを徹底したため、今では取り扱い台数は日本最大となっている」
--他社と違う強みは
「年中無休で午前9時から午後9時までスタッフが対応している。ネットが苦手な人向けに、隔月でカタログも発行している。昨年8月からは業者を対象とした月会費税別1万円の会員制サイト『業販ネット』の運用を新たに開始した。実は中古トラックは乗用車と違い、ディーラーや整備工場の間での業者間取引が5~7割ほどを占めている。取引市場も少ないので相場も分かりにくい。しかし当サイトがトラック業販取引市場のようになっているので、注目されている。現在会員は60社で掲載在庫3000台弱だが、2年以内に数千台にまで増やす」