スマートフォンを手に写真共有アプリ「ピックチャット」について説明する、シナモンの平野未来CEO【拡大】
■東南ア発のアプリ“逆上陸”
日本の起業家が制作し、東南アジアで配信されてきた人気のスマートフォン(高機能携帯電話)向けアプリが日本に“逆上陸”する。日本人の女性起業家がシンガポールで設立したシナモンが開発し、スマホの撮影画像を友人などと共有できる「ピックチャット」で、1日から配信を始めた。平野未来(みく)最高経営責任者(CEO)は「(アプリを通じ)人の生活を変えるコミュニケーションサービスを提供したい」と夢を語る。
ピックチャットは、無駄な操作手順を極力省くことにより、スマホで撮影した画像をほんの2、3秒で事前設定した相手に送れるのが特長。写真共有は「フェイスブック」などの交流サイトでもできるが、主役はあくまでテキストではなく写真。複数の仲間でアルバムをネット上に所有する感覚に近い。
平野CEOは「写真はテキストに比べて送るのが簡単。相手に伝えられる情報量も多い」とアプリの魅力を強調する。
しかもこのアプリは不特定多数との交流より、家族や友人、知人との仲を深めることを前提にしている。知らない相手とも交流できるネットの特性に反しているようにもみえるが、同社によるとネットや電話によるコミュニケーションの相手は9割近くを最も親しい3人が占めるという。
同社は昨年6月ごろからタイとシンガポール、ベトナムで配信してきたが、瞬く間に利用者が20万人に拡大。成功への自信を深めた。