■技術・デザイン力でブランド再構築
「もう一度、技術とデザインで三菱自動車ブランドを構築したい。他社がやれないことをやれと育てられた。この気持ちを復活させたい」。新社長への就任が決まった三菱自動車の相川哲郎常務取締役は、6日の記者会見で技術屋の気概を示した。
温厚な性格で「社内で怒鳴った姿は見たことがない」(社員)。「頼まれたら断らない」を信条に仕事に励む。過去2回のリコール隠し発覚などで販売不振に陥ると、ダイムラー・クライスラー(現ダイムラー)が資本提携を解消。技術陣が大量に流出したが、技術担当トップとして新車開発を乗り切った。
現在も「開発、生産のリソースが十分な状況ではない」と語るが「若い技術陣の力を引き出していく」と宣言した。「デザインは会社の規模に関係なく勝負できる」と言い切り、得意のスポーツ用多目的車(SUV)と、先頭を走ると自負する電気自動車(EV)で勝負を挑む。
入社の動機は「『ギャラン・シグマ』や『ギャラン・ラムダ』の画期的なデザインで好きで、格好良い車を出す会社だから」という。車好きは変わらず、山間部のドライブが趣味。これまで15台の車を所有した。(飯田耕司)
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【プロフィル】相川哲郎
あいかわ・てつろう 東大工卒。1978年三菱自動車。2004常務執行役員、05年から常務取締役。6月25日の株主総会後に社長就任予定。長崎県出身。