■大学発ベンチャーを資金サポート
--東大発のロボット開発ベンチャーのCFO(最高財務責任者)を米グーグルによる買収を機に退任した
「東大の研究者2人とともに立ち上げたSCHAFT(シャフト)を、共同創業者の一人とCFOという立場で世界に伍(ご)するベンチャー企業に育てたという自負がある。その経験を生かし、大学から質の高い技術を切り出し、ベンチャーを育てたい。研究者とともに事業計画を作り、マーケティングやM&A(企業の合併・買収)などに必要な資金をサポートする。ベンチャー経営の成功事例をつくることで、日本を元気な国にしていきたい」
--1月にベンチャーキャピタル(VC)「246キャピタル」を設立した狙いは
「国内には多くのVCがあるが、既にある技術やビジネスモデルの評価はできる一方、今後大きく成長が見込まれる技術やビジネスモデルの評価が不十分だと感じている。ライフサイエンスやクリーンエネルギーなどの分野で、大学から出てくる技術などのシーズ(種)は質が高く、VCがリスクをとって資金を提供するようになれば、成功できるはずだ。しかし、商業ベースへと段階が進むときに資金が足りず、事業の継続を断念せざるを得ないケースも少なくない」
--主な投資対象は
「高度な技術シーズを持ち、大学や研究所からスピンアウト(独立)していく若い技術者の未上場会社を念頭に置いている」
--最初に組むファンドの規模は
「4~6月には組成できる見通しで、20億円くらいを想定している。国内外の富裕層や機関投資家、ヘッジファンドに関心を持ってもらえた手応えはある。投資家からは『未来の日本のためにこの資金を使ってほしい』というメッセージも届いている」
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