オーイズミ代表取締役副社長・大泉秀治【拡大】
□大泉秀治・オーイズミ代表取締役副社長
■20、30年後の業界見据えた議論を
遊技機のゲーム性が複雑化する中で、大衆娯楽と言いつつ、参加の間口を狭める傾向が散見される。また、規制の範疇(はんちゅう)で開発しているといえども、その方向性については射幸性偏重も指摘されており、ギャンブルと同じテーブルで議論されるという残念な状況を招いている。理想論では、もっと簡単で多くのファンに遊技してもらえる機械が必要だと考えるし、パチンコホールのニーズもそこにある、と思われる。しかし、そういう遊技機が実際にいまのユーザーに受け入れられるのかどうか。パチンコホールとメーカーが、どのように新たなカテゴリーの機械を作り上げ、そういう機械にファンを呼び込んでいくのかを議論していく必要がある。
遊技機を開発する際、最小限に抑えたシステムではファンが物足りないだろうとの判断から、役物演出の搭載や液晶クオリティーの向上などに高度な技術を導入しがちだ。これにともなって、当然コストも上昇する。しかし、ファンのウォンツとニーズは実際にはどこにあるのか。ファン目線ではどのレベルが適切で、機械の価格がどの程度に設定できるか研究の余地がある。
ここ数年、若年層のパチンコ離れが顕著だが、こうした傾向は遊技に限ったことではない。若者のライフスタイルそのものの変化にも起因している。ファン拡大には、トヨタの「免許を取ろう」という切り口のCMのように、まず「遊ぼうぜ!」という提案をしなければならない時代なのだ。また、超少子高齢化を目前に、20年、30年後の業界の在り方を、業界を挙げて議論すべき時期に来ている。