さまざまな角度から依存に対する“学び”が提供された【拡大】
認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク(RSN、代表理事・西村直之氏)は12日、東京都千代田区のUDXカンファレンスで「遊技業界が知っておくべきパチンコ・パチスロ&ギャンブリング依存について」と題したセミナーを開いた。
RSNは日本で唯一、パチンコ・パチスロ依存問題を専門とする電話相談サービス機関であり、同セミナーは、RSN主催のもと、パチンコ・パチスロKAI総合研究所(代表理事・平澤黎哲氏)が企画。日本遊技産業経営者同友会(代表理事・松田高志氏)のCSR委員会が後援し、業界関係者ら約100人が参加した。
同日は、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター精神科医長の河本泰信氏が「精神医療から見た病的ギャンブリングとその対応」をテーマに基調講演した。同センターは、1963年に日本で初めてアルコール依存症専門病棟を設立し、89年にはWHO(世界保健機関)から日本で唯一のアルコール関連問題の施設として指定されている。また、2011年にはネット依存治療研究部門を、13年からは病的ギャンブリング治療研究部門を開設し、外来診療を含めた治療を提供している。
河本氏は講演で病的ギャンブリングについて、不本意ながらやってしまうことが問題であると指摘。その動機は金銭欲や名誉欲、現実逃避などさまざまだが、医療から見た場合、こうした原因や背景を見極め、苦痛を取り除いてあげることが大事だと説明。さらに9項目にわたるギャンブリング障害の診断基準を示した上で、それぞれ「再発型」(慢性進行群)、「単発型」(自然回復群)に分類。各症状の特徴を解説するなどした。