■“新種”バッグ おんぶひもをヒント
着物のたすき掛けと、帯ひもでのおんぶをヒントにした、今までにないデザインのバッグが人気を集めている。商品化したのはCOAROO(コアルー)の社長で韓国・ソウル市出身の池成姫さん。ひもを巧みに操る日本の伝統文化にかっこよさを見いだし、韓国にはない生活の知恵に驚き商品化に至った。
◆変形自在のベルト
1992年に日本に留学し、大学卒業後は出版社で特許翻訳に従事しながら、結婚、出産する。子育ての中で不便だと感じていたのが、バッグが邪魔になること。「状況に応じて肩に掛けたり、背負ったり、前に抱えられるバッグがあれば便利なのに」と思っていたが、意に沿う商品は見つからなかった。そこで、自ら作ることに思い至る。
もともと池さんは手先が器用。古着など身の回りの物を工夫して袋などを作っていた。また、特許の翻訳に携わっていたこともあって、発明に関心を抱いていたことも新しいバッグ製作の動機になった。
製作に当たっては、バッグをつなぐベルトに全く新しい工夫を凝らした。従来のベルトはバッグの両端をつないだだけだったが、ループ状の2本のベルトをバッグ本体のそれぞれの両端に通し、専用のパッドでつないだ。シンプルな構造だが、パッドが自由にスライドすることで、ベルトの形状があやとりのように変化。1つのバッグがショルダーバッグから、リュックサック、前抱えスタイルなど状況に応じて形を変える。