木材工場から出る木くずなどの廃木材と廃プラスチックを主原料とする「木材プラスチック再生複合材」(ステラウッド=Sterawood)は、もともと日本生まれの技術だ。この製造原料に埼玉県秩父地域の森林から出るスギやヒノキなどの間伐材や、木材工場で発生する樹皮(バーク)を使おうというWPCコーポレーション(菊池武恭社長)の試みは、森林保護に役立ち、資源の有効利用を通じて環境の保全にもつながると地元からも大きな期待を寄せられている。
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総面積の88%を森林が占める秩父市。スギ、ヒノキを主体とする木材の年間伐採量2万9000立方メートル(2011年度)のうち間伐材は3割近い8000立方メートルに上る。太いもの(大径木)は普通の木材と同様、製材されて住宅建材などに使われている。しかし、製材に向かない小径木はそのまま山林に放置され、また製材の副産物である樹皮は大半が産業廃棄物として処理されている。
いわば“やっかいモノ”の小径木や製材後の樹皮を、WPCコーポレーションはステラウッドの原料に使おうというのだ。
「わが社が製造しているWPRC(Wood Plastic Recycled composite)は原料をすべて微細な粉にしてしまいますので、針葉樹でも広葉樹でも使えるのです」と菊池社長はいう。