災害時に「つながる」連絡手段は何か-。1人1台以上に普及し、緊急時の通報や安否確認などライフラインとしての役割が高まる携帯電話。しかし、3年前の東日本大震災では、基地局への被害で通話が不能になったり、規制で発信できない状態が続いた。携帯電話に詳しいITジャーナリストの法林岳之(ほうりん・たかゆき)さんとともに、通話・通信の視点から災害への備えを考える。(三品貴志)
携帯電話の主なキャリアはNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社で、これにイー・モバイルが続く。このほか、以前は簡易型携帯電話とも呼ばれたPHSサービスをウィルコムが提供している。
どのキャリアがつながりやすいのか。法林さんは「場所や時間などの条件によって携帯電話のつながりやすさは変わるため、客観的な評価は難しい」とした上で、3年前の大震災直後について「体感としてキャリアによってつながりやすさに差が出た。当時はシェアが高いほど、つながりやすかった印象がある」と振り返る。
震災時は各社とも東北地方を中心に多くの基地局が不通となったほか、システムのパンクを避けるため、固定電話を含めて通話を規制。首都圏では優先電話化されている公衆電話の前に長蛇の列ができた。