【野村HD研究】(23)知的財産の発掘から事業化までを支援 (1/5ページ)

2014.3.19 05:00

清水建設およびスーパー連携大学院と三者協定を締結しているグリーンフロート構想

清水建設およびスーパー連携大学院と三者協定を締結しているグリーンフロート構想【拡大】

 ■新産業を創出、産学連携の橋渡し

 大学などの教育・研究機関と民間企業が連携して、新技術の研究や商品開発などを行う「産学連携」。1990年代半ばより産学連携は、国立大学の法人化など大学改革の動きとともに進展、さまざまな施策やスキームが作られてきた。しかし、この10年を振り返っても大学発ベンチャーが必ずしも十分に育ったとは言いがたい。大学の持つ知財に早くから着目し、事業化に向けて支援を行ってきたノウハウと知見を活かし、新産業の創出をサポートする野村グループの取り組みを紹介する。

 ◆知財と事業の架け橋

 野村グループでは、事業化に関する知見の蓄積を増やすことで産学連携が一層進むと考えている。「国も日本の大学にある知財を活かした事業化に対して積極的に予算を計上しようとしています。ところが事業化のノウハウを持ち、産業界と大学との間に実務的な接点を作れる人材が不足しています。当社の存在意義は、大学側と企業側双方の話を聞けるところにあります」と野村証券金融公共公益法人部の濱田隆徳次長は語る。

 大学の研究は具体的な事業戦略まで見据えて行われるものではないため、そのままでは企業での活用は難しい。また、大学発のベンチャーは、一般的にリスクや不確定要素が多いとして民間企業からの投資が敬遠される傾向にあり、資金不足が原因で研究・技術開発の事業化を断念せざるを得ない、いわゆる「死の谷」の克服が大きな問題になっている。そこで、大学と民間企業との接点を作り、橋渡しを行うために、野村証券は2014年3月、大学や研究機関が保有する多くのシーズ(研究開発を推進する上で必要な要素技術)を、事業会社などに紹介するウェブサイトをリニューアルオープンした。

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