米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)が乗用車の欠陥を約10年間にわたって放置した問題を巡り、米政府の対応に注目が集まっている。
2009~10年に起きたトヨタ自動車のリコール(無償回収・修理)問題で、最終的に過失がなかったトヨタを“袋だたき”した米政府はGMにどんな厳罰を下すのか。それとも米国にとって自動車産業は“聖域”だけに、甘い裁定となるのか…。
欠陥を10年間放置。死者数は300人!?
「米国にとって自動車は譲れない産業で、GMは最も重要な企業の1社だ。それだけに問題の行方を注視している」。日本の自動車関係者の1人はこう話す。
GMは、2月に03~07年型の小型セダン「シボレー・コバルト」など計7車種162万台のリコールを公表。点火スイッチの不良によって走行中にエンジンが停止したり、エアバッグが作動しないなどの不具合だが、GMは01年に事態を把握したとみられ、10年以上にわたって放置していたことが分かっている。