電力各社の2014年度の供給計画が27日までにほぼ出そろった。4社が原発1基分(100万キロワット)を上回る大型の火力発電所新設に乗り出すほか、未発表の東京電力も600万キロワット規模の火力を建設する。再稼働を見込める原発が限られるためだが、火力は原発に比べて二酸化炭素(CO2)排出量が多く、環境悪化を招く危険もある。
東日本大震災後、電力各社が火力発電所を新設・更新する際は経営効率化のために入札が必要となった。
東北電力は計120万キロワットの入札を実施。自ら応札して落札できれば、能代発電所3号機(石炭、秋田県)の稼働を従来計画の「28年度以降」から「20年度」に前倒しする。
中部電力は、100万キロワット程度の火力を新設。入札では調達価格が比較的安い石炭火力の建設が有力視される。自らの応札も検討する。
関西電力も150万キロワットの火力の入札を実施し、早ければ21年度に稼働させる。燃料は石炭や液化天然ガス(LNG)が軸となる見通し。原発停止に伴って供給力の柱となっている火力は老朽化が進んでおり、最新鋭発電所の導入を進める。ただ、資金力に余裕がないため自社応札はしない。