≪パネルディスカッション≫テレワークの新たなステージに向けた課題と取組
■テレワークで企業の競争力を高める
フォーラムの後半は、日本テレワーク協会の宇治則孝会長がファシリテータを務め、5名のパネリストによるパネル討論が開催された。登壇したのは、イプシ・マーケティング研究所の代表取締役社長で政府のIT総合戦略本部の有識者本部員も務める野原佐和子氏、シスコシステムズの鈴木和洋専務執行役員、日本電信電話の島田明取締役総務部門長、NECの保坂岳深執行役員、リクルートホールディングスの花形照美ソーシャルエンタープライズ推進室室長。
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宇治氏:「政府も、テレワークの拡大による雇用形態の多様化とワークライフバランスの実現に向けた具体的な目標を掲げています。野原さん、概要を教えてください」
野原氏:「安倍晋三政権の成長戦略の1つに『世界最先端IT国家宣言』があり、ITの技術活用による雇用形態の多様化とワークライフバランスの実現として、テレワークの推進が掲げられています。それによると、就業継続が困難となる子育て期の女性や育児に参加する男性、介護を行っている労働者などを対象に、週に一回以上、終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワークの本格的な普及を2016年までに目指しています。また、2020年にはテレワーク導入企業を2012年度比で3倍に、雇用型在宅型テレワーカーの数を10%以上にする目標も掲げられています。日本再興戦略の中にも、男女が共に仕事と子育てなどを両立できる環境の整備が、施策の一つとして記載されており、テレワークの普及に向けた新たなモデル確立のための実証事業の実施などによる多様で柔軟な働き方の推進が求められています」