印刷業界のトップ企業と認知されてきた大日本企業だが、もはやその表現だけではいいつくせなくなっている。近年はさらなる成長を求めて、IT分野や環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野にも積極的に進出。電子書籍のように、収益の柱に育ちつつある事業もある。北島義俊社長は「もっと積極的に育成していかないと」と、事業領域拡大に意欲を示す。
◇
□北島義俊社長に聞く
■さまざまな顧客に接し事業領域を拡大
--今年で社長に就任して35年になりますが、昔と今で経営環境は違いますか
「以前に増して目まぐるしく環境が変化するようになっているように感じます。当社も新事業をもっと積極的に育成していかないといけない。電子書籍のようにたち上がりつつある事業もありますが、もう一息かな、という印象です」
--その電子書籍事業では紙媒体のネット通販も併せて行っています。傘下には大手書店もあります
「読む人が自由に選択できる環境を構築していくことが大事であって、われわれが押しつけるべきではない、との考え方です。電子書籍が普及したからといって、紙の印刷がなくなるわけではありません。だから当社では、紙の印刷物と電子書籍の相乗効果を高める『ハイブリッド型総合書店』に取り組んでいます。小説は紙で読みたいという人もいるでしょうし、紙と電子を使い分ける流れも生まれているようです」